観葉植物が室内の温熱環境・快適性に及ぼす影響の解析
実験は、愛媛大学農学部本館3階の南向きの2つの部屋(大きさは同じで、奥行5.9m、間口3.4m)で行った。
窓は南側で、床面から高さ0.8mより上であり、窓ガラスは透明普通ガラスである。また、実験時の部屋の隙間換気は、換気回数で約0.7回/hであった。
観葉植物は、蒸散の盛んなカポックと、ほとんど蒸散しないマッサンギアナを用いた。
鉢を含む高さは2種類とも約1.8mであった。
カポックは1部屋当たり6鉢、マッサンギアナは1部屋当たり5鉢を配置した。
カポックを窓際に1列配置し、
もう一方の部屋には植物を配置しない場合の実験結果
絶対湿度は、昼間、植物を配置している方は上昇しているが、植物を配置していない方はほとんど変化していない13時には、植物を配置している方が0.0044kg/kgも高くなっている。
相対湿度は、昼間、植物を配置している方は上昇するが、植物を配置していない方は、気温の上昇のために低下している。
10~17時には、植物を配置している方が、約20%も高くなっている。カポックの蒸発散量は、日射量の変化とほぼ同じ変化を示し、373g/(鉢・日)であった。
カポックを窓際に一列配置し、もう一方の部屋にはマッサンギアナを窓際に一列配置した場合の実験結果
マッサンギアナの蒸発散量は、99g/(鉢・日)で、窓際に一列配置したカポックの4分の1であった。
絶対湿度は、昼間、カポックの方は大きく上昇し、14時にはカポックの方が0.0027kg/kgも高くなっている。
相対湿度は、昼間、カポックの方は上昇し、マッサンギアナの方は低下しており、14時にはカポックの方が約20%も高くなっている。
湿度の上昇効果を期待するのであれば、カポックの方が有効であると考えられる。
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